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学力・人間力向上のためのブログ

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  • 2025/10/11

    シリーズ第6回「未来へつながる自立支援 ― スプラウツのこれから」

自立とは、「一人でできる」ことではない

「自立」という言葉を聞くと、多くの人は“自分のことを自分でできるようになること”を思い浮かべるかもしれません。
けれど、スプラウツが目指す自立は、それだけではありません。

それは、**「助けを求める力」や「人と関わりながら生きていく力」も含めた“生きる力”**のことです。
一人で全てを抱え込むのではなく、必要なときに誰かに頼りながら、自分の意志で進んでいくこと。
そのような“しなやかな自立”を育てることが、スプラウツの目標です。


安心から始まり、自信へ、そして自立へ

スプラウツの支援の流れは、
1️⃣ 安心を取り戻す
2️⃣ 成功体験で自信を育む
3️⃣ 個別支援で「できる力」を伸ばす
4️⃣ 対話や共同作業で社会性を養う
5️⃣ 得意を見つけ、自分の強みを知る
――そして、6️⃣ 自立へ向かう、というステップで構成されています。

このプロセスを一歩ずつ積み上げていくことで、子どもたちは「もう一度やってみよう」という気持ちを取り戻します。
学習面だけでなく、生活の中での行動や人との関わり方も少しずつ変化していきます。


「自分で選ぶ」経験が自立の第一歩

スプラウツの教室では、子どもが自分のやりたい学習内容や順序を決める「選択学習」を取り入れています。
スタッフが用意したプリントや教材の中から、どれをやるかを子ども自身が選びます。
「これをやってみよう」と自分の意志で決めること。
それが小さくても“自立の練習”なのです。

心理学者デシとライアン(Deci & Ryan, 1985)の「自己決定理論」によると、
人は「自分で選んで行動している」と感じたときに、最も高いモチベーションを発揮するといいます。
スプラウツはこの理論を実践に取り入れ、学びを“自分事”として感じられる仕組みを整えています。


学ぶ力は「生活力」とつながっている

自立を支えるのは、学力だけではありません。
自分の生活を整え、人との関わりを築く力もまた、自立の一部です。

スプラウツでは、掃除や整理整頓、簡単な調理体験など、**「生活に根ざした学び」**を積極的に取り入れています。
これらは単なる家事練習ではなく、
「自分の空間を整える力」「段取りを考える力」「人と協力する力」を育てる重要な活動です。

ある生徒は、最初は片付けを嫌がっていましたが、スタッフと一緒に始めるうちに「きれいになると気持ちいいね」と言うようになりました。
こうした小さな気づきの積み重ねが、自立心を育てていくのです。


他者と関わることで育つ「社会的自立」

スプラウツでは、同世代だけでなく年齢の違う仲間と関わる機会を意識的に作っています。
年上の子が年下の子を手伝ったり、逆に年下の子のアイデアに年上の子が刺激を受けたり――。
こうした関わりの中で、「自分が誰かの役に立てる」という実感が生まれます。

また、地域とのつながりを大切にし、外部の人と交流する機会も少しずつ広げています。
地域の方とのイベントや、近隣のボランティア活動への参加など、社会の一員として関わる経験は、子どもたちにとって大きな自信となります。


“得意”を社会につなげる支援

スプラウツでは、第5回でご紹介したように、
子どもたち一人ひとりの“得意”を見つけ、それを伸ばす支援を続けています。

その先にあるのが、「得意を社会につなげる」ステージです。
絵が得意な子は教室のポスター制作を、
パソコンが得意な子は簡単な資料づくりを手伝う。
そうした小さな実践が、将来の「仕事」や「進路」への意識につながっていきます。

スプラウツでは、中学生・高校生に対して進路相談や職業体験プログラムも行い、
「自分が社会の中でどんな役割を果たせるか」を一緒に考えています。


「一人で生きる力」ではなく「人と生きる力」

自立支援というと、「自分一人で何でもできるようにする」というイメージを持たれがちですが、
スプラウツが大切にしているのは、“人と支え合って生きる力”です。

時には「助けて」と言える勇気も、立派な自立の形です。
自分の弱さを受け入れ、他者を信頼できること。
それは、社会で生きていく上で欠かせない力です。

スプラウツでは、失敗しても責められない環境、
困ったときに相談できる関係性の中で、子どもたちが安心して成長していけるよう支援を続けています。


スプラウツのこれから

スプラウツは、単なる「居場所」ではなく、
**「未来につながる学びの拠点」**を目指しています。
不登校や発達特性のある子どもたちが、自分のペースで学び、関わり、挑戦していける場。

今後は、オンライン学習や地域連携をさらに拡充し、
在宅や遠方の子どもたちも参加できる“ハイブリッド型の学び”を展開していく予定です。
また、卒業生のフォローアップや、進学・就労に向けた支援プログラムも強化していきます。

スプラウツで育った子どもたちが、
将来「自分の力で生きていく」ことを誇りに思えるように――。
その日を見据えながら、私たちは日々の支援を続けています。


おわりに:自立は“希望の連鎖”

子どもたちの一歩は、時にとても小さいものです。
しかし、その小さな一歩が未来への扉を開きます。

スプラウツの願いは、子どもが「自分の可能性を信じられる」ようになること。
その姿を見た保護者が安心し、家族全体が前を向けるようになること。
そうして生まれる“希望の連鎖”が、地域全体に広がっていくことです。

これからもスプラウツは、
子どもたち一人ひとりの未来を信じ、その歩みに寄り添い続けます。

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