
未就学児の療育で、最も大きな差を生むものは何か。
特別な教材でしょうか。
高度な理論でしょうか。
私は、長年の経験の中で確信しています。
それは、**家庭での些細な「気づき」**です。
そして、保育園・幼稚園での日々の関わり方です。
療育は、週に一度のセッションだけでは決して足りません。
子どもの成長は、365日続いているからです。
療育は「その場」で完結しない
これまで私は、セラピストとして多くの未就学児と向き合ってきました。
初めて言葉が通じた瞬間。
初めて目が合った瞬間。
初めて「できた」と言えた瞬間。
小さな一歩を一緒に喜びながら、同時に痛感してきたことがあります。
療育は、その時間の中だけでは完結しないということです。
セッションでできたことが、家庭で繰り返されなければ定着しません。
家庭でできていることが、園で崩れてしまえば安定しません。
つまり、
-
家庭
-
スプラウツ(セラピスト)
-
保育園・幼稚園
この三者が連携してはじめて、療育は「前進」になります。
スモールステップという思想
療育は魔法ではありません。
一歩進んで、
半歩戻り、
また一歩進む。
この“スモールステップ”の積み重ねです。
しかし、その小さな一歩が、
家庭で繰り返されなければ偶然で終わります。
共有することで、前進は再現可能になります。
・今日うまくいった声かけ
・崩れた場面の状況
・落ち着けた環境条件
・刺激量の適切さ
こうした情報を家庭と絶えず共有すること。
ここが最大の鍵になります。
必要であれば、保育現場へ
私はこれまで、必要に応じて保育園へ出向き、行動観察を行ってきました。
家庭では落ち着いているのに園では崩れる子。
園では頑張っているのに家庭で爆発する子。
環境が変われば、子どもの姿も変わります。
だからこそ、
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環境調整
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刺激量の見直し
-
声かけの統一
-
支援方法の共有
を行ってきました。
療育施設だけで完結する支援には限界があります。
家庭と園、両方を見なければ、本当の課題は見えません。
365日の療育という考え方
療育とは、日々の積み重ねです。
週に1回の特別な時間ではなく、
日常の中の繰り返しです。
・視線の合わせ方
・指示の出し方
・成功体験の作り方
・感情の整え方
それらを統一し、
家庭でも再現できる形にしていくこと。
私は「365日の療育」を目指しています。
それは厳しい訓練を意味するものではありません。
日常の中で、同じ方向を向くということです。
脳は“反復”で変わる
私は研究者でもあります。
脳の神経回路は、繰り返しで強化されます。
これは科学的事実です。
しかし同時に、
負の経験もまた強化されます。
叱責の繰り返し。
失敗体験の積み重ね。
自己否定の言葉。
これらも回路を作ります。
だからこそ、
成功体験を設計すること。
小さな達成を積むこと。
それが療育の本質だと考えています。
療育は「今困っていること」を減らすだけではありません。
将来の
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自己肯定感
-
学習意欲
-
社会適応力
-
進路選択力
を守るための土台設計なのです。
療育を行うなら、連携は必須です
療育を行うのであれば、
少なくとも家庭とスプラウツの連携は必須です。
情報を共有しなければ、
努力は点になります。
共有すれば、
努力は線になります。
そして園とも繋がれば、
それは面になります。
子どもを支える“面”ができたとき、
安定は一段上がります。
スプラウツの療育観
スプラウツは、単なる療育施設ではありません。
未就学児から、
小学生、
中学生、
進路、
受験までを見通しています。
だからこそ、
「今やるべきこと」が分かります。
今の一歩が、
将来どこに繋がるのか。
その設計図を描きながら支援を行っています。
最後に
療育は、施設の中だけでは完結しません。
家庭と。
スプラウツと。
保育園・幼稚園と。
三者が同じ方向を向き、
スモールステップを365日積み重ねること。
それが未来を変えます。
子どもは、可能性そのものです。
その可能性を、
正しい環境で、
正しい連携で、
静かに、しかし確実に伸ばしていく。
それが、私の療育に対する考えです。
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