
近年、生成AIの普及により、
「AIを使えば勉強は簡単になるのではないか」
という声をよく耳にするようになりました。
特に国語に関しては、
AIに質問すれば、文章の要約や模範解答が瞬時に表示されます。
そのため、
「もう国語を勉強する意味はないのでは」
と感じてしまう中高生や保護者の方も少なくありません。
しかし、私たち聡生館では、
AIの登場によって、むしろ国語学習の本質がはっきりした
と考えています。
国語力とは何か
国語の読解問題や記述問題で問われているのは、
単なる知識量や語彙力ではありません。
重要なのは、
筆者が何を伝えようとしているのか、
そのために文章がどのような構造で組み立てられているのかを、
自分の頭の中で再現できているかどうかです。
記述問題も同様です。
美しい文章を書く力よりも、
理解した内容を、誤解なく他者に伝える力が問われています。
つまり、国語力とは
思考を読み取り、思考を言葉として再構成する力
と言い換えることができます。
AIを使う際の最大の注意点
AIを国語学習に取り入れる際、
最も注意すべき点があります。
それは、
AIに答えを出させてしまわないことです。
問題文をそのまま入力し、
答えや解説だけを確認する学習を続けてしまうと、
自分がどこで迷い、どこを読み違えたのかが見えなくなります。
結果として、
「分かったつもり」だけが積み重なり、
本質的な学力は伸びません。
聡生館が考える正しいAI活用法
聡生館では、AIを
「考える代わり」ではなく「考えたあとに使う道具」
として位置づけています。
具体的には、次のような使い方です。
まず、文章を自分で読み、設問を解きます。
そのうえで、
・文章の主張や構造を整理する
・設問がどこを問うているのかを確認する
・自分の理解と模範解答との差を言語化する
といった「確認・振り返り」の場面でAIを活用します。
こうすることで、
自分の思考のクセや誤読の傾向が明確になり、
次の問題に活かせる学習が可能になります。
読解力を高めるためのAI活用
読解が苦手な生徒の多くは、
文章をすべて同じ重さで読んでしまっています。
AIを使って、
「どこが主張で、どこが具体例なのか」
「この段落は何のために置かれているのか」
を整理することで、文章の骨組みが見えてきます。
これは、
文章を速く読むための技術ではなく、
正確に読むための土台づくりです。
記述問題への応用
記述問題が苦手な生徒は、
「何を書けばよいのか分からない」状態に陥りがちです。
AIを使って、
設問で求められている要素を整理したり、
模範解答との違いを確認したりすることで、
記述問題は「感覚」ではなく「構造」で捉えられるようになります。
この積み重ねが、
安定した得点力につながっていきます。
AI時代だからこそ必要な国語力
AIは便利な道具です。
しかし、AIがどれだけ進化しても、
「読む」「考える」「表現する」力そのものが不要になることはありません。
むしろ、
AIの情報を正しく理解し、取捨選択し、自分の判断につなげるためには、
これまで以上に国語力が重要になります。
聡生館では、
AIを排除するのではなく、
学びを深める補助線として活用する国語学習を大切にしています。
まとめ
国語力とは、
答えを当てる力ではなく、
思考を読み取り、再構成する力です。
AIを正しく使えば、
その力を可視化し、鍛えることができます。
聡生館では、
一人ひとりの理解の過程を大切にしながら、
AI時代に必要な本質的な学力を育てていきます。
-
スプラウツ小さな継続する力が大切です。2025/09/03 -
スプラウツ“比較しない”という勇気 — 自分のペースで生きる力を育てる —2025/10/29 -
聡生館初めての中間テストを終えた中学1年生の皆さん、結果はどうでしたか。2025/05/19


