
冬休みは、どのご家庭でも家族と過ごす時間が自然と長くなる季節です。
しかし不登校のお子さまを持つ保護者さまにとっては、
「どう接したらいいのだろう」
「この冬休みをどう過ごせば、来年が変わるだろう」
と、ふだん以上に悩みが深くなる時期でもあります。
今日は、スプラウツに通うご家庭の相談や、私たちが日々生徒と向き合う中で見えてきた、
“新年度へ向けて心が前に進む声かけ”
についてお話ししたいと思います。
◆1.「頑張らせる声かけ」よりも、“安心させる声かけ”を
不登校のお子さまは、“学校へ行けていない自分”に対して、言葉にしない罪悪感を抱えていることが少なくありません。
そのため、
「そろそろ行けるようにしないとね」
「みんなは頑張ってるよ」
「せっかくの冬休みなんだから」
という何気ない一言が、
お子さまの心の中では
“また責められた”
と受け取られてしまうことがあります。
新年度につながる第一歩は、
子どもが「自分は大丈夫だ」と感じられる安心感
を積み重ねることです。
そのためには、こんな言葉が効果的です。
-
「今年はいろんなこと、よく頑張ってきたね」
-
「冬休みは、ゆっくりしてもいい時期だよ」
-
「あなたのペースで大丈夫だよ」
これらの言葉は、お子さまが身構えていた心を少しずつ緩め、
“変わる準備” の入り口 を作ります。
◆2.「未来の話」は小さく、抽象的に
保護者が不安を感じると、つい先のことに触れたくなります。
「来年は行けるようにしたいね」
「中学(高校)になったら困るよ」
「受験どうする?」
しかし、不登校の子どもにとって“未来の話”は、
多くの場合 プレッシャー になります。
新年度につながる声かけのポイントは、
“小さくて、ちょっと前向きになれる未来” を一緒に見ること。
たとえば、
-
「来年、少しだけ楽しいことが増えるといいね」
-
「新しい年は、今より少しだけ心が軽くなるといいね」
-
「ひとつだけ、やってみたいことが見つかるといいね」
このくらいの抽象度がちょうど良く、
お子さまは“自分で考える余白”を持つことができます。
◆3.冬休みは「できたこと探し」を一緒にする絶好のタイミング
不登校のお子さまは、
“できなかったこと”にばかり意識が向きがちです。
しかし、冬休みのようにゆっくり過ごせる時期こそ、
小さな成功を一緒に見つける時間 にすることが大切です。
-
朝いつもより少しだけ早く起きられた
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家の手伝いをしてくれた
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自分から話題を振ってくれた
-
ゲームや動画の時間を調整できた
-
散歩に行けた
-
笑顔が増えた
これらはすべて、“成長の芽” です。
「今日のこれ、すごく良かったね」
「昨日よりちょっとだけできたね」
と声をかけてあげることで、
お子さまは “自分は変われるかもしれない” という希望を持ち始めます。
◆4.保護者が「不安を言語化」してあげると、子どもは安心する
不登校のお子さまは、
自分の気持ちをうまく言葉にできないことが多いものです。
そこで保護者がやさしく代弁するように声をかけてあげると、
驚くほど心が軽くなることがあります。
-
「学校のこと、考えるとちょっとしんどくなるよね」
-
「行かなきゃいけないって思うほど、心が固まっちゃうよね」
-
「無理しなくていいよ。あなたの気持ち、ちゃんとわかってるよ」
このように お子さまの感情を言語化し、受け止める ことが、
新年度に向けた心の回復にとても大きな力を持ちます。
◆5.冬休みは、「再スタートの準備期間」と考える
不登校の改善は、
「冬休み明けから頑張る」
というような一発逆転では起こりません。
むしろ、
冬休みの間にどれだけ心のエネルギーを貯められたか
が、1月・4月の行動に大きく影響します。
できるだけプレッシャーをかけず、
できるだけ小さな成功を積み重ね、
できるだけ気持ちに寄り添う。
それだけで、年明けの表情は本当に変わります。
◆6.スプラウツは「新年度の準備」をお子さまと一緒にサポートします
不登校のお子さまが動き出すには、
家庭だけで抱え込まず、
“第三者の関わり” がとても大きな助けになります。
スプラウツでは、
子どもたちの心の状態を見ながら、
無理のないペースで一歩ずつ進める学びの場を提供しています。
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ゆっくり来られる環境
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自分のペースで学べるカリキュラム
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人との距離が近すぎない安心できる空間
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“できたこと” を丁寧に積み重ねるサポート
冬休み明けから、
そして新年度から、
お子さまの行動が少しでも軽くなるように——
私たちも全力で寄り添います。
どうかご家庭だけで抱え込まず、
いつでもご相談ください。
Dr.Kazushige.O
一般社団法人 自在能力開発研究所 代表理事/ 聡生館&Sprouts フリースクール代表
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