
「最初はやる気があるのに、三日と続かない」
これは、保護者の方から非常によく聞く言葉です。
勉強を始めるときには、本人なりに決意をしている。
「今度こそ頑張ろう」「ちゃんとやろう」と思っている。
それでも、数日経つと元に戻ってしまう。
この様子を見ると、
「意志が弱いのではないか」
「やる気が足りないのではないか」
と感じてしまうのも無理はありません。
しかし、脳科学の視点から見ると、
この「三日坊主」は性格や根性の問題ではない場合が多いことが分かっています。
勉強は続かないのに、ゲームは続く理由
多くの子どもに共通しているのは、
勉強は続かないのに、ゲームや好きなことは長時間続くという事実です。
これはとても重要なヒントです。
もし本当に「続ける力」がなければ、
ゲームも同じように三日で終わるはずです。
実際には、ゲームが続くのは、
・やることが明確
・始めるまでの手間が少ない
・結果や達成感がすぐに返ってくる
・失敗してもやり直せる
・他人の評価を強く気にしなくてよい
といった条件が揃っているからです。
つまり、
「続かない」のではなく、
**「続きにくい条件の中で勉強をしている」**可能性が高いのです。
「決めたことをやり切る力」は脳の機能
人が「やると決めたことを実行し、続ける」ためには、
前頭前野と呼ばれる脳の部分が大きく関わっています。
前頭前野は、
・計画を立てる
・行動をコントロールする
・気が散るものを抑える
・途中で投げ出したい衝動を抑える
といった役割を担っています。
この働きは年齢とともに育っていきますが、
発達のスピードには個人差があります。
小学校中学年以降になると、
周囲は自然にできているように見えるのに、
本人は追いつかず、
「分かっているのにできない」状態に陥ることがあります。
これは怠けではありません。
脳の使い方が、まだ十分に整っていないだけなのです。
「始める」だけで疲れてしまう子どもたち
勉強が続かない子どもの多くは、
実は「続ける」以前に、
「始める」段階で大きなエネルギーを使っています。
机に向かう。
教材を出す。
何からやるか考える。
できなかったらどうしようと不安になる。
これだけで、
前頭前野は疲れてしまうことがあります。
すると、
「やらなきゃいけない」と思っていても、
体が動かなくなる。
この状態で叱られたり、急かされたりすると、
脳は防御モードに入り、
ますます行動が止まってしまいます。
他力は「甘え」ではなく、発達の支え
小学校低学年までは、
大人の声かけや付き添いといった「他力」で行動できる場面が多くあります。
小学校中学年以降になると、
徐々に「自分で始める力」が求められますが、
この移行がうまくいかないと、
急に「続かない子」に見えてしまいます。
ここで大切なのは、
他力をやめることではありません。
・最初の準備だけ手伝う
・時間や順番を一緒に決める
・小さな目標に区切る
こうした支えは、
自立を妨げるのではなく、
自力へ移行するための橋渡しになります。
続けられる子に共通する「仕組み」
勉強が続く子どもには、共通点があります。
・やることが具体的
・終わりが見えている
・成果が小さくても確認できる
・失敗しても立て直せる
これは才能ではありません。
環境と設計の問題です。
特性のある子どもほど、
この「仕組み」が合ったときに、
大きく変化することがあります。
聡生館が大切にしていること
聡生館では、
「やる気を出させる」ことよりも、
続けられる学びの形を整えることを重視しています。
無理に頑張らせるのではなく、
脳が動きやすい形を一緒に作る。
その積み重ねが、
「自分はできる」「続けられる」という感覚を育てます。
三日坊主は、可能性の裏返しです。
条件が整えば、行動は必ず変わります。
-
スプラウツ今週、月曜日から金曜日まで書いてきたブログ記事内容のチェックリストです。2025/09/06 -
スプラウツ保護者の声かけが大きな力になります。2025/09/05 -
聡生館小中高生のGWの初日、1名を除きいつも通りに通塾してきました。2025/04/29


