
学力・人間力向上のためのブログ
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2025/11/01
“深める学び”が“伸びる力”を育てる ― 自立の起点として ―
「どうすればもっと成績が上がりますか?」
この質問を、私は何度も聞かれてきました。
けれど、答えはいつも同じです。
「“深める学び”が、“伸びる力”を育てるんです。」
■ “できるようになる”と“伸びるようになる”の違い
多くの生徒は、勉強の目的を「できるようになること」と考えています。
確かに、問題が解けるようになれば嬉しいし、自信もつく。
でも、それだけでは成績の“上限”が見えてしまう。
本当の意味で成績が伸びていく生徒には、一つの共通点があります。
それは、「分かった」で終わらず、「なぜそうなるのか」を考え続ける姿勢です。
“できるようになる”のは、努力の成果。
しかし、“伸びるようになる”のは、思考の深さ。
この違いが、学びの「量」ではなく「質」を変えていくのです。
■ 深める学びとは、“問いを持つ”こと
“深める”というのは、単に時間をかけることではありません。
むしろ、「なぜ?」という問いを持ち続ける力です。
たとえば数学なら、「この公式はどうして成り立つのか?」。
英語なら、「なぜこの文法を使うのか?」。
社会なら、「その出来事の背景にどんな人々の思いがあったのか?」。
こうした問いを立てながら考えることで、
学びは「暗記」から「理解」へ、そして「発見」へと変わっていきます。
聡生館では、授業の最後に必ず「問い直しの時間」を設けています。
今日の学びの中で、「わかったこと」「まだ気になること」を言葉にする。
その“問い”こそが、次の学びの入口になるのです。
■ “深める学び”は、“自分を知る学び”
深く学ぶとは、単に知識を掘り下げることではありません。
それは、自分自身の考え方や感じ方を見つめ直す行為でもあります。
なぜ自分はこの問題を難しいと感じたのか?
なぜこのテーマに興味を持ったのか?
そうやって“自分の中の問い”を掘り下げることで、
学びは「他人から与えられた課題」ではなく、「自分自身の探究」になります。
つまり、“深める学び”とは、“自分を理解する学び”なのです。
そしてこの「自己理解」こそが、自立学習の出発点です。
自分の思考パターンを理解できれば、次に何をすべきかが見えてきます。
そこから“自分で学ぶ力”が芽生えていくのです。
■ 「自立」は孤立ではない
“自立学習”というと、「一人で勉強すること」と誤解されがちです。
けれど、自立とは「自分の頭で考え、必要なときに助けを求められる力」。
つまり、“自分を支える仕組み”を持つことです。
聡生館の授業では、「自立=自己管理+自己省察」と定義しています。
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自己管理:やるべきことを自分で決め、計画的に行動する力。
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自己省察:行動の結果を振り返り、次に生かす力。
この2つの力がある生徒は、指導がなくても伸び続けます。
なぜなら、自分の中に“成長の仕組み”を持っているからです。
■ “深める学び”が「自信」を育てる
「できた!」という瞬間の喜びは、勉強の原動力になります。
しかし、それ以上に大切なのは、「わかってきた!」という実感です。
“できた”は一時的な成果、
“わかってきた”は継続する成長。
深める学びの中で生まれる“理解の喜び”は、
自分への信頼感――つまり「自信」を育てます。
そしてその自信は、他人と比べるものではなく、
“昨日の自分との違い”に気づくことで生まれるのです。
■ 「習う」から「創る」へ
知識を深めると、やがて「創造する力」が生まれます。
なぜなら、深く理解した人は、
知識を“使う”ことができるようになるからです。
数学の定理を応用できるようになる。
英語の文法を使って自分の意見を表現できるようになる。
歴史の流れから、今の社会を考えられるようになる。
それが、「習う」から「創る」への転換点。
“深める学び”は、“創造する学び”への扉なのです。
■ 聡生館メソッドが目指す「自立の起点」
聡生館の教育理念は、「思考の自立」と「学びの継続」。
教えすぎず、考えさせる。
答えを与えず、問いを投げかける。
そうして生徒が自分で考え、判断し、行動する力を育てています。
“深める学び”を通して、生徒は自分の「考える軸」を手に入れます。
それは、受験という短期的なゴールだけでなく、
人生を通して学び続けるための土台になるのです。
自立とは、他者から離れることではなく、
自分の思考を中心に据えて、世界と向き合う力。
それが、「聡生館メソッド」の目指す学びの姿です。
■ 結びに ― 学びの終わりに、もう一度「問い」を持つ
「深める学び」は、終わりのない旅のようなものです。
ひとつ理解すれば、また新しい疑問が生まれる。
その繰り返しが、あなたを“伸び続ける人”にしていきます。
大切なのは、「もうわかった」と思わないこと。
そして、「なぜ?」「どうして?」と問い続けること。
その小さな“問い”こそが、
未来のあなたを導く羅針盤になるのです。
🌙
by Dr.Kazushige.O
(一般社団法人 自在能力開発研究所・聡生館 代表)
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